Atomistix ToolKit(略称:ATK)ATK-DFTとATK-SEの比較

密度汎関数法に基づくATK-DFTと半経験的手法に基づくATK-SEとの違いについて説明しています。

ATK-DFTとATK-SEの有用性はそれぞれ一長一短

ATK-DFTは、任意の構造・元素からなる化合物の様々な物性値を精度良く求めることができますが、「計算に時間がかかる」・「半導体のバンドギャップを過小評価してしまう」というデメリットもあります。

一方、ATK-SEは、例えば、実験結果に見合うバンド構造計算を実現するパラメータを用意することにより、ATK-DFTよりも高速かつ正確なバンド構造計算を実行できます。しかし、バンド構造計算で採用されたパラメータは、(特定の構造の)バンド構造計算に対してのみ有効なパラメータであり、他の物性値に対しても精度の良い計算が実現される保証はありません。つまり、ATK-SEによる計算は、パラメータが与えられている系に対してのみ利点を持ちます。

半経験的手法に基づくソフトウェアの有用性は、目的に見合ったパラメータをどの程度用意しているかに依存します。ATK-SEでは、ナノスケール電気伝導モデリングで特に重要となる、シリコンをはじめとした半導体物質やグラフェン/ナノチューブに着目して、それらの高精度な電気伝導計算が達成させるようなパラメータを標準で用意しています。標準のパラメータを用いることにより、ATK-DFTと同等もしくはそれ以上の精度でATK-DFTよりも速く電気伝導計算を行うことができます。

計算機能の比較

計算機能
ATK-DFT
ATK-SE
扱える原子数※1
〜1,000程度
〜5,000程度
計算可能な構造
任意
パラメータに依存
計算スピード
MPI並列計算
スピン分極
×
誘電体、ゲート電極の取扱
透過係数
透過固有状態
状態密度※2
局所状態密度
×
有限バイアス計算
電子密度
静電ポテンシャル
マリケンポピュレーション
全エネルギー
△※3
原子間に働く力
×
応力テンソル
×
構造緩和計算
×
分子動力学計算
×
バンド構造
複素バンド構造
エネルギースペクトル
分子軌道
ゴースト原子
×

※1:1 nodeによる計算の場合。また、マシン性能にも依存します。
※2:系全体の状態密度を原子ごとの寄与に分解することも可能です。
※3:イオン化エネルギーや電子親和力の計算には活用できます。

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