Atomistix ToolKit - Density Functional Theory(略称:ATK-DFT)製品概要

ATK-DFTは、ナノスケール構造体の物理特性を第一原理計算によってシミュレーションするためのツールです。密度汎関数理論(DFT; Density Functional Theory)と非平衡グリーン関数(NEGF; Non-Equilibrium Green’s Function)法に基づいたナノスケールデバイスの第一原理電気伝導計算[1]を実行できます。電気伝導計算の際には、系内に連続体近似で誘電体と ゲート電極を定義することができ、現実的なナノスケールモデリングが実現されます。
従来の量子計算モデリングの対象であった分子系やバルク系の計算を行うことも可能です。

計算対象

  • 分子系
  • バルク系(結晶、ナノチューブ、ナノワイヤーなど)
  • 2プローブ系(2つの半無限電極に挟まれたナノスケール構造体)

適用範囲

様々なナノスケールデバイスの電気伝導計算に適用することができます。



計算手法

DFT

  • 波動関数をLCAO法で記述
  • SIESTA型数値局在基底を採用[2]
  • ノルム保存型擬ポテンシャルによる内殻電子の取扱
  • 局所密度近似(LDA)もしくは一般化勾配近似(GGA)による交換相関汎関数の記述
  • LSDAもしくはSGGAによるスピン分極の考慮
  • DFT+U法
  • ゴースト原子によるBasis Set Superposition errorの補正
  • Meta-GGAの導入[12]

NEGF

  • 有限バイアス下における電子状態の記述
  • Krylov部分空間法による高速な自己エネルギー・透過係数計算[3]
  • FFT2D法[9]、もしくはMulti-grid法による異種電極2プローブモデルの取扱
  • 高バイアスの計算に適したダブル複素閉曲線積分[10]

並列計算

  • MPICH2による並列計算
  • Intel MKLによるマルチスレッド計算

計算機能

電気伝導特性

  • 電流-電圧特性
  • トランジスタ特性(ゲート電圧によるon/off比)
  • 透過係数、透過スペクトル
  • 電圧降下
  • ショットキー障壁
  • 接触抵抗
  • 磁気抵抗(MR)比
  • スピン流
  • 透過固有状態、透過固有値
  • 透過経路[5]
  • クーロンダイアモンド

電子的性質

  • 分子のエネルギースペクトル、分子軌道
  • バルク系のバンド構造、ブロッホ波
  • 電子密度、静電ポテンシャル
  • Multipole boundary conditionによるCharged systemの取扱
  • 状態密度(原子、軌道レベルの寄与に分解可能)
  • 局所状態密度(2プローブ系のみ)
  • 複素バンド構造

外部環境の考慮

  • 連続体近似による誘電体やゲート電極の記述
  • 溶媒効果

構造最適化

  • Hellmann-Feynmab定理による力の計算
  • ASEアルゴリズムによる収束性の高い構造緩和計算
  • 有限バイアスにおける構造緩和計算が可能
  • 応力テンソルの計算及びユニットセルサイズの最適化
  • 分子動力学計算((NVT(Berendsen)、Velocity Verlet))

その他の物性値

  • Nudged Elastic Bandによる反応経路解析
  • Kubo-Greenwood公式による光応答関数

開発中の機能

  • 電流密度
  • 格子振動
  • 電子由来の熱輸送係数
  • Pre-Optimization
  • ノンコリニアスピン

NanoLanguage

ATK-DFTはPythonベーススクリプト言語であるNanoLanguageを入力形式として使用します。

  • 計算の制御を柔軟に行うことができる
  • コードの透明性がある
  • ユーザーによる機能拡張が容易である

計算データの取扱

ATK-DFTによって得られた計算結果や入力構造の情報は、NetCDFファイルに格納されます。NetCDFファイルに格納された情報は、 NanoLanguageやVNLのGUI機能を用いて簡単に抽出することができます。

References
[1] M. Brandbyge et al, Phys. Rev. B 65, 165401 (2002)
[2] J.M. Soler et al, J. Phys.: Condens. Matter 14, 2745-2779 (2002)
[3] H.H.B. SØrensen et al, Phys. Rev. B 77, 155301 (2008)
[4] Q. Yan et al, Nano Lett. 7(6), 1469-1473 (2007)
[5] K. Stokbro et al, J. Am. Chem. Soc. 125, 3674 (2003)
[6] M. Ng et al, Nano Lett. 8(11), 3662-3667 (2008)
[7] M. Khazaei et al, ACS Nano 2(5), 939-943
[8] Y. Yamada et al, J. Appl. Phys. 105(8), 083702 (2009)
[9] T. Ozaki et al, Phys. rev. B 81, 035116 (2010).
[10] R. Li et al, Chemical Physics, 336, 127, 2007.
[11] G.C. Solomon et al, Nature Chemistry 2, 223 (2010).
[12] Phys. Rev. Lett. 102, 226401 (2009)

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