Atomistix ToolKit - Semi-Empirical(略称:ATK-SE)製品概要

ATK-SEは、半経験的手法と非平衡グリーン関数(NEGF; Non-Equilibrium Green’s Function)法に基づいて大規模なナノスケールデバイスの電気伝導計算を行うためのツールです。
ATK-SEでは、密度汎関数法に基づくATK-DFTよりも高速に電気伝導計算を実行できます。また、シリコンをはじめとした様々な物質に対して高精度なバンド構造計算が実現されるような半経験的パラメータが標準で用意されています。これより、総原子数が1,000原子を超えるような大規模な系のデバイスモデリングを実現することができます。また、ATK-DFTと同様、分子系やバルク系の計算も実行できます。

計算対象

  • 分子系
  • バルク系(結晶、ナノチューブ、ナノワイヤーなど)
  • 2プローブ系(2つの半無限電極に挟まれたナノスケール構造体)

適用範囲

系の総原子数が1,000原子を超えるような大規模2プローブ系に対して電気伝導計算を実行することができます。


図1:Au-Si-Au接合(系の総原子数:1230)


図2:カーボンナノチューブデバイス(系の総原子数:1760)

計算手法

半経験的手法

  • 拡張Hückel法(シリコンをはじめとした様々な物質に対して高精度なバンド構造計算が実現されるようなパラメータが標準で容易されています)
  • DFTBによるSlater-Koster Tight-Bindingモデル
  • Slater型基底を採用
  • ユーザ定義のパラメータを使用可能
  • 半経験的手法の範疇内でスピン分極を考慮可能

NEGF

  • 有限バイアス下における電子状態の記述
  • Krylovサブ空間法による高速な自己エネルギー・透過係数計算[3]
  • FFT2D法[4]、もしくはMulti-grid法による異種電極2プローブモデルの取扱
  • 高バイアスの計算に適したダブル複素閉曲線積分[1]

並列計算

  • Intel MKLによるマルチスレッド計算
  • MPICH2による並列計算

計算機能

電気伝導特性

  • 電流-電圧特性
  • トランジスタ特性(ゲート電圧によるon/off比)
  • 透過係数、透過スペクトル
  • 電圧降下
  • ショットキー障壁
  • 接触抵抗
  • 透過固有状態、透過固有値
  • 透過経路[5]
  • クーロンダイアモンド

電子的性質

  • 分子のエネルギースペクトル
  • バルク系のバンド構造、ブロッホ波
  • 電子密度、静電ポテンシャル
  • Multipole boundary conditionによるcharged systemの取扱
  • 状態密度(原子、軌道レベルの寄与に分解可能)
  • 複素バンド構造

外部環境の考慮

  • 連続体近似による誘電体やゲート電極の記述
  • 溶媒効果

開発中の機能

  • 原子に働く力
  • 応力テンソル

NanoLanguage

ATK-SEはPythonベーススクリプト言語であるNanoLanguageを入力形式として使用します。

  • 計算の制御を柔軟に行うことができる
  • コードの透明性がある
  • ユーザーによる機能拡張が容易である

計算データの取扱

ATK-SEによって得られた計算結果や入力構造の情報は、NetCDFファイルに格納されます。NetCDFファイルに格納された情報は、NanoLanguageやVNLのGUI機能を用いて簡単に抽出することができます。

References
[1] R. Li et al, Chemical Physics, 336, 127, 2007.
[2] J.M. Soler et al, J. Phys.: Condens. Matter 14, 2745-2779 (2002)
[3] H.H.B. Sørensen et al, Phys. Rev. B 77, 155301 (2008)
[4] T. Ozaki et al, Phys. rev. B 81, 035116 (2010).
[5] G.C. Solomon et al, Nature Chemistry 2, 223 (2010).

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