ATK&VNL 2014.1新機能紹介

Atomistix ToolKit&Virtual NanoLabの新バージョンVNL-ATK-2014.1が2014年10月にリリースされました。
9月にリリースされたVNL-ATK-2014.0をインストールされた方は必ずバージョンアップ下さい。

リリース情報

バージョン Atomistix ToolKit&Virtual NanoLab 2014.1
リリース日 2014年10月

ダウンロード

新バージョンはこちらからダウンロードできます

概要

  • 経験的な力場関数を使用する新規モジュールATKClassicalが正式にリリースしました。分子動力学法に関するいくつかのアップデートがあります。またPhonon Transportもサポートします。またLAPPMSの計算結果をプロットする機能が追加されました。
  • Noncollinear spinの機能がアップグレードし、スピン軌道相互作用を考慮できるようになりました。DFT及びSEの両方で利用可能です。
  • 半導体材料を用いたデバイスのシミュレーション用の新規機能が追加されました。
  • パフォーマンスが改善し計算時間とメモリー使用量の両方が縮小しました。いくつかの系で新規に使用されたアルゴリズムを用いた場合ATK-2014はATK-13.8よりも35%〜40%程度高速です。また画像処理が改善しBuilderを用いて1万原子以上の構造を構築可能です。また100万原子からなるMDのトラジェクトリーを表示出来ます。
  • サードパーティー製コードとしてVASP, Quantum Espresso、Gpawをサポートします。
  • FHI-aims コードが新規にサポートされました。
  • その他多数の新機能があります(下記参照)。

ライセンスについて

本バージョンをインストールするためにはVersion14.2以上のLicense Featureが必要です。貴機関にてバージョンアップ可能かどうかわからない場合はご連絡いただければ幸いです。 ATKClassicalを実行するためにはATKClassicalのライセンスが必要です。有効な保守ライセンスをお持ちのアカデミックユーザサイトではATKClassicalを追加料金なしでご利用いただけます。企業ユーザの方はお問い合わせいただければ幸いです。 本バージョンを利用するためにはライセンスサーバ用ソフトをLM-X version 4.6.5にバージョンアップする必要があります。LM-X version 4.6.5はこちらからダウンロードできます。またインストールマニュアルはこちらをご参照ください。

VNL-ATK-2014新機能紹介

  • ATKClassical-経験的ポテンシャルと分子動力学計算
    • 160種以上の経験的な力場関数を内包し、半導体、ガラス、有機物質などの多種の素材のシミュレーションを可能にします

      内包されているポテンシャル:
      • Two/three-body potenitals: Lennard-Jones (various versions), Sutton-Chen, Stillinger-Weber
      • Tersoff (many versions)
      • Tapered potentials: Morse, Buckingham, Vessal, Tosifumi, damped dispersion
      • ReaxFF
      • EAM (fs + alloy)
    • Coulomb項(遠距離力計算):
      • Ewald法、DSF、Debye、Simple Pairwise
    • Pythonコードにより文献や独自のポテンシャルを簡便に導入できます
      • Stillinger-WeberポテンシャルにVDW相互作用を考慮するためにLennard-Jones型ポテンシャルを追加するなどのカスタマイズができます
      • 文献上のポテンシャル(Pedone, Guillot-Sator, Marian-Gastreich, Feuston-Garofalini, Matsui, Leinenweber等)を簡便に導入できます
      • 詳細はマニュアルをご覧ください
    • OpenMPを用いてマルチスレッドで実行できます
      • 16 coreを用いることでATKClassicalの計算が10倍程度高速化します
      • MPIによる並列化は次期バージョン以降に導入予定です
    • 新規の構造構築ツール
      • Voronoi Tessellation法を用いた多結晶構造の構築

        図:多結晶構造の構築
      • AFMチップ構造の構築
    • 特性解析および表示(DFT法DFTB法を使用した結果でも可能)
      • 局所構造解析(Voronoi type, centrosymmetry, partial charges)

        図:局所構造解析
      • 局所ストレス
      • 弾性定数
      • 動径分布関数,速度/運動エネルギー分布

        図:動径分布関数
      • フォノン振動モードの表示
      • 動画出力
    • 分子動力学法
      • NPT with stress mask
      • Nose-Hoover (NVT)
      • NVE Velocity Verlet
      • NVT/NPT Berendsen
      • NPT Melchionna
      • Langevin
    • 多数のMD計算機能を紹介するチュートリアルを掲載
    ご注意点:
    ATKClassicalをご使用になるためにはライセンスファイルにATKClassicalのライセンスフィーチャが必要です。アカデミックユーザで保守中のお客様におかれましは現行バージョンのATKClassicalのライセンスは追加費用なしでご利用いだけます(ライセンスファイルの変更が必要ですのでご連絡ください)。企業ユーザのお客様はお問い合わせください。

    ATKClassical is developed in collaboration with Fraunhofer SCAI under the Eurostars project ATOMMODEL.



  • ノンコリニアスピン+スピン軌道相互作用
    • ATK-13.8にて導入されたノンコリニアスピンの計算機能が改良され精度と収束性が改善しました。今回はスピン軌道相互作用が考慮可能になりました。この機能を用いてトポロジカルインシュレータ等の解析が可能です。またMGGAと組み合わせることにより半導体の価電子バンド構造を正確に計算できます。
      • すべてのDFT計算(LDA,GGA,MGGA)およびSlater-Koster tight-binding法でノンコリニアスピンを考慮した計算可能

        図:ノンコリニアスピン電子輸送
        図:トポロジカルインシュレータのバンド図
      • Bulkの周期構造及びデバイス構造(輸送特性)にてノンコリニアスピンを考慮した計算可能
      • 収束させるためのトリック:コリニアの収束結果を初期条件としてノンコリニアの計算を開始すると収束性がよい
      • 磁気異方性・MTJ素子の電子輸送特性・スピントルクトランスファー(STT)
      • Bulk周期構造及びデバイス構造(輸送特性)のスピン軌道相互作用の考慮
        • DFT:OMX擬ポテンシャルを用いてスピン軌道相互作用の考慮
        • SE/Tight-binding:spin-split parameters added for all built-in models
  • 半導体特性を計算するための新機能
    • MGGAのライブラリの更新

      図:MGGAによるバンドギャップの実験値との比較
    • InAsのバンド構造の計算に関するチュートリアル(有効質量等)
    • 有効質量テンソルの計算(任意のk点、任意の方向)
    • 半導体構造へのドーピングチャージの導入手法の改善

      図:p-n接合
    • ATK13.8からの変更点
      • 系のトータルの電荷を入力(ニュートラルの場合はゼロ)
      • 原子へのドーピングではなぐTag構造ごとへのドーピングに変更
  • パフォーマンス改善
    • 新規のMKLコンパイラにより35%−40%の計算速度向上
    • マルチグリッド法におけるスピードの改善
    • Sparse diagonalization (FEAST)
    • Sparse 法による自己エネルギーの計算
    • 自己エネルギーのSparse Storage
    • 新規のポアソンソルバ
    • Orbital sortingのブロック化と最適化
    • DOS計算のテトラへドロン法の高速化
    注意:同一ノードでMPI並列計算を行うときはOMP_NUM_THREADS=1を環境変数に設定下さい
  • グラフィックパフォーマンスの向上
    • コードの書き換えを行いVNLの描画は最新のレンダリング機能を持つようになりました
      • Viewerツールにおける描画では100万原子の描画が可能

        図:100万原子の描画
  • VASPインターフェースのバージョンアップ
    VNLはVASPのインターフェースとしても利用可能です
    • Version13.8よりVASPの入力ファイルをVasp Scripterを利用して作成することが可能でした。本バージョンでは機能拡張されVASPのバンド計算ができるようなるなどいくつかの機能が追加されました。VASP ScripterはVASPの計算セッティングのほとんどをGUI上から実行でき入力ファイルを作成します。またPOSCAR、PORCAR,KPOINTS、INCAR等の入力ファイルも作成できます。

      図:VNLによるVASPの計算結果表示
    • 本バージョンよりVASPの計算結果解析機能が追加されました。VASPのEIGENVALSファイルからバンド構造を、DOSCARファイルから状態密度を、CHGCARファイル、PARCHGファイル、LOCPOTファイル等から電子密度や有効ポテンシャルを3Dで描画できます。またCONTCARファイルやNEB、MDトラジェクトリ等のアニメーションを表示することも可能です。通常のVNLの機能もVASPの結果に適用することができます。例えば2種の電子密度の差分を計算したり、Z軸方向のポテンシャルを表示したり、ポテンシャルをXY面に対して射影したりすることが可能です。より詳細はVASP GUI用のチュートリアルをごらんください。
    • さらに、VNLは次のコードのインターフェースとしても使用可能です
      • QuantumEspresso: configurations, energies, stresses, forces, charge densities
      • GPAW: configurations, trajectories
      • Materials Studio: XTD files
      • LAMMPS: trajectories
    もし他のコードに対するインターフェースをご利用されたい場合はご連絡いただければ幸いです
  • その他の新機能
    • トラジェクトリ等の動画からGIFアニメを出力可能です

    • 構造を自動回転したアニメーションを作成できます

    • LDOSを半経験的手法で表示できます
    • 新規基底関数としてOpenMX+FHIが使用可能です(スピン軌道相互作用をサポート)
    • Viewer内で周期構造を繰り返して表示できます
    • 次のプラグインがアップデートしました
      • Cubeファイルの出力(構造及び複雑なGridの出力)
      • Grid操作(追加及び抽出を容易に)
      • Electrode Validator
      • I-Vカーブ出力でUpSpin、DownSpinそれぞれを表示
    • Gate領域、誘電体領域の構築の改善
      • 領域をFractional Coordinateで指定可能です
      • 領域を移動可能です
      • キーボードショートカットで表示・非表示を切り替えできます
    • プラグインの機能改善(Builder Tool)
      • Niggli Reduced Cell構造の作成
      • NEB構造内での構造移動、回転、鏡像反転
      • Bulk構造からDevice構造にする機能が改善
      • 構造を繰り返しても可能な場合は対称性を保持
      • 格子パラメータのコピーを容易に
      • NEB構造からの構造抽出を容易に
    • LabFloorの一般的な改善
      • ファイル操作と安定性の向上
      • ファイルの非表示を容易に
    • Menuバーにキーボードショートカットを表示
  • Editorの改善
    • 検索・置換
    • Codeの入力支援機能
    • 構文ポップアップ機能
  • ATKのLow Level Entityへのアクセス
    • ATKのLow Level Entityへのアクセス
    • ハミルトニアン・重なり積分
    • 密度行列
    • 自己エネルギー
    • 遅延グリーン関数・左右グリーン関数
    • ダイナミカルマトリックス
    • フォノン自己エネルギー
    • フォノン遅延グリーン関数・左右グリーン関数

    • 図:4端子デバイス構造
    これらの値を使用することにより4端子のデバイス構造のトランスポートの計算やACトランスポートの計算などが容易になります詳しくはチュートリアルをご覧ください
  • Macバージョン
    ATK及びVNLがMacネイディブで実行可能です(OS X 10.8以上で対応)
  • 軽微な変更、改善、追加
    • Limited memory Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shannon (LBFGS)がデフォルトの構造最適化手法になりました
    • Grimme DFT-D2コードがC++で書き直されました
    • パッケージサイズが30‐40%縮小しました
    • 基本定数がCODATA2010に対応しました
    • 構造最適化の最後の構造を.lastImage()により取得できます
    • SciPy、Scalapck、Blacsを利用できます
    • Band構造をkpointの値と共に出力
    • OpenSSLをサポート
    • ライセンス関連のエラーメッセージを改善
  • Bug Fix(13.8.1以降)
    • ストレスプロジェクションにエラーがありましたが修正されました
    • Fermi Function Poleの設定に不具合がありましたが修正されました
    • 2万原子を超える構造の.ncファイルへの読み込みと書き込みが遅く不具合がありましたが修正されました
    • Viewer
      • Gridの単位が修正されました
      • Iso Sufaceの表示の単位が修正されました
      • I-Vカーブ表示で負のバイアス時の電流方向が正しくなりました
      • PhononのDOS表示の横軸の単位がeV->meVに修正されました
    • 大規模な系で座標ソートに不具合がありましたが修正されました
    • IPythonとのコンフリクトが修正されました
    • ATKpythonのセットアップツールが改善しました
    • その他いくつかの軽微なバグが修正されました
  • Bug Fix(2014.0以降)
    • VASP PDOSの表示の不具合が修正されました
    • POSCARとPOTCAR出力の不具合が修正されました
    • 有効質量計算ツールでフラクショナルとデカルト座標の方向に間違えがありました
    • Window上で円筒状のGate領域のレンダリングに不具合がありました
    • MoveツールがNVIDIA以外のグラフィックカードで動作しない不具合が修正されました
    • Intel HD4000グラフィックカードでShader Graphicsをサポートしました
    • libGLUが適切にプレロードされます
    • いくつかのLINUX上でQTライブラリのコンフリクトを修正しました
    • Exampleフォルダーにあるいくつかの.ncファイルやスクリプトが正常に稼働しない不具合を修正しました
    • 1DProjectorで軸のラベルに不具合がありましたが修正されました
    • ATK-Classicalの文献情報が正しくなりました
    • Fedora15(32bit)のグラフィックに関する不具合が解消しました
    • OpenMXの基底関数情報が改善しました
    • Projectを変更したときBuilder上の表示が更新されない不具合が修正しました
    • FHI-AIMSが32Bitのプラットホームで使用できないエラーメッセージが正常に表示されます
    • スピン軌道相互作用やノンコリニアスピン使用時のnlprintに関する不具合が修正されました
  • Known Bug and Issue
    計算結果に関するバグやソフトウエアの操作が不可能になるようバグは現在まで発見されていません以下に現在までに知られている不具合を報告します
    • BandStructure Analyzerにてバンド構造を拡大した場合に対称点が表示されません
    • Builder内に原子数の多い構造がある場合クラッシュする可能性があります
    • 旧バージョンの.ncファイルに新バージョンからの結果(構造等)を追加出力しようとすると不具合が生じます
    • Ghost Atomの表示に不具合があります
    • その他軽微なバグがあります
関連ページ

お問い合わせ

Copyright © 2011 QuantumWise Japan KK All rights reserved.