ATK&VNL 2015.0新機能紹介

Atomistix ToolKit&Virtual NanoLabの新バージョンVNL-ATK-2015.0が2015年10月にリリースされました。

リリース情報

バージョン Atomistix ToolKit&Virtual NanoLab 2015.0
リリース日 2015年10月

ダウンロード

新バージョンはこちらからダウンロードできます

アカデミック版Virtual NanoLabを無償提供します

Atomisitix ToolKitのGUIであるVirtual NanoLab(VNL)をアカデミック向けに無償提供します。お申し込みはこちらから(英語)。

新バージョン概要

  • Electron-Phonon interaction
    非弾性電流,Deformation Potential,移動度の計算が可能
  • 新規Job Manager
    ローカル・リモートマシンにGUI上から計算を並列数指定で投入可能
  • 新規の分子動力学的手法
    • 解析手法の充実。速度自己相関関数。角度分布関数。平均二乗変位をGUI上から計算・プロット可能
    • momentum-swapping NEMD法を使用した粒界熱抵抗の計算(界面熱抵抗)
    • 2層界面およびデバイ構造の新しい構造最適化。中央領域のセル長のサイズ最適化(剛体近似と一次元方向のみの最適化を利用)
    • 結晶構造予測ツール
    • Adaptive Kinetic Mote Carlo(KMC)による反応経路探索および、頻度因子の計算、粗視化による時間加速MD
  • 半導体構造解析用ツール
    • Virtual Crystal Approximation法(DFT)
    • Effective Band Structure(Zone Unfolding)
    • MGGA(TB-09)のcパラメータ決定
    • 簡便なドーピングツール
  • 並列計算の効率化
    • 長距離項の並列効率の向上(メモリ使用量削減・計算スピード)。疎行列の取り扱い改善による多数のCoreを使用したMPI計算時の処理速度向上
    • VNL(GUI)での100万原子以上の表示
    • NEBが完全に並列計算可能
  • FHI-aimsのPythonインタフェース
  • 様々なコードへのVNLの対応
    • LAMMPS/QuantumEspresso(tutorial)/VASP/GPAW

ライセンスについて

  • 本バージョンをインストールするためにはVersion15.0以上のLicense Featureが必要です。貴機関にてバージョンアップ可能かどうかわからない場合はご連絡いただければ幸いです。
  • アカデミックユーザにおかれましてVNLのみをご利用される場合は無償提供させていただきます。お申し込みはこちらから
  • ATKClassicalを実行するためにはATKClassicalのライセンスが必要です。有効な保守ライセンスをお持ちのアカデミックユーザサイトではATKClassicalを追加料金なしでご利用いただけます。企業ユーザの方はお問い合わせいただければ幸いです。
  • FHI-aimsをご利用いただくためにはどなた様もライセンスの購入が必要です。
  • VASP関連機能をご利用いただくためにはATK−VASPのライセンスが必要です。フリーのVNL(アカデミック版))にはVASP関連機能は搭載されませんのでライセンスを別途購入される必要があります。またVASP本体はVNLには付属しません。

VNL-ATK-2015新機能紹介詳細

Electron-Phonon interaction

  • Quasi-inelastic (LOE [1]) and fully inelastic (XLOE [2]) electron-phonon scatteringによるI-Vカーブ計算
  • DFT,Tight-Binding, Classicalなど様々な手法を組み合わせて計算可能
    • 電子系の計算にDFT, Tight-Binding、DFTBを利用
    • DFT、DFTB、Clasical−PotentialをPhononの計算を利用
    注:DFTを用いたPhonon計算は大変時間がかかります
  • Bulk構造のElectron-Phonon Scattering行列要素の抽出
  • Boltzmann方程式による歪みポテンシャルと移動度の計算(緩和近似を超える精度)[3]
  • Electron-Phonon 関連の新規チュートリアル
    • シリコンP−N接合の非弾性透過係数
    • Au-1Dチェーンに挟まれたH2分子の非弾性透過係数
    • 移動度の計算

[1] Thomas Frederiksen, Markus Paulsson, Mads Brandbyge, and Antti-Pekka Jauho, Phys. Rev. B 75, 205413 (2007)
[2] Jing-Tao Lu, Rasmus B. Christensen, Giuseppe Foti, Thomas Frederiksen, Tue Gunst, and Mads Brandbyge, Phys. Rev. B 89, 081405(R) (2014)
[3] Kristen Kaasbjerg, Kristian S. Thygesen, and Karsten W. Jacobsen, Physical Review B 85.11, 115317, (2012)

New Job Manager

  • ローカル・リモートマシンにGUI上から計算を並列数指定で投入可能。
    • ローカルマシンの場合(シリアル、スレッド、MPICH2)
    • リモートマシンの場合(キューイングシステム(Troque/PBC))の設定
  • 入力ファイル・出力ファイルの自動保存
  • サーバ側の設定不要(SSHのみ使用)



図:GUI上からの並列計算

ATK-Classicalのアップデート

  • パフォーマンスの改善
  • ポテンシャルの追加(Madden、Core-shell、COMB)
  • Long-rangeポテンシャルの取りあつかいの改善(虚の振動数が出ないように)
  • Tagを用いて異なるポテンシャルを異なる部位に割り当て
  • 部分電荷解析

構造最適化、NEB機能の更新

  • NEBのコードを書き直し高速化されました。構造最適化の手法としてLBFGSを用いるようになり収束性も向上しています
  • NEBの各構造の計算で並列計算ができるようになりました(25倍程度の高速化)
  • aka crystal structure prediction tool
  • 外部圧力を考慮した構造最適化
  • 構造最適化各ステップでの物性解析(MDではすでに可能)
  • Phonon関連物性計算時のDynamical Matrixの新規使用方法
  • Piezoelectric tensor(圧電物性)計算時の内部構造緩和の実施
  • 構造最適化時のコンストレインの手法としてRigid Body(複数の原子をグルーピングして相対位置を拘束する)の採用
  • Rigid Bodyを利用した新規界面構造の構造最適化法(チュートリアル
  • コンストレイン用の新規GUI(Rigid Bodyに対応)
  • DynamicalMatrix計算時のBulk構造の繰り返しの数の予測ツール

分子動力学法

  • NPT、Velocity Valetで2倍のパフォーマンスの改善
  • Nose-Hoover NVTにおける新規手法により温度振動の回避
  • MD Analyzerの新規の解析ツール
    • 速度の自己相関関数
    • 局所質量密度
    • MD TrajectoryからPhonon状態密度
    • 平均二乗変位量の解析
    • MD中の結合角変位の分布(CutOffによる指定可)
    • 隣接する原子の数の見積もり
    • 中性子散乱構造因子の見積もり
  • LAMMPS、VASPのMDTrajectoryの読み込み及び解析機能
  • MD中の解析時にサブセット原子を指定して解析すること(スクリプトのみ)
  • 角度分布関数に原子間距離のCut Off長の瀬否定
  • MD Analyzerの強化
    • 1つのスナップショットでも解析可能
    • 解析結果グラフの重ね合わせ
    • ヒストグラムのグラフのライン化
  • Trajectoryから原子の速度の可視化
  • MDを用いた熱伝導率の計算。界面熱抵抗(Kapitza resistance)も可能(チュートリアル)。
  • 動画ツールの強化
    • 時間単位の変更可
    • 表示している曲線のみ凡例表示
    • データ出力の改善

Adaptive Kinetic Monte Carlo (AKMC)


図:adaptive Kinetic Monte Carlo 法による反応解析

半導体構造解析用ツール

  • 仮想結晶近似(DFT)
  • Effective band structure analysis (zone unfolding)

    図:Effective Band Structure
  • Bassani and Vogl Slater-Kosterパラメータに水素追加
  • DopingのセッティングをGUIから
  • 有効質量計算のアップデート
    • 2次摂動法の採用
    • TCADツールとの連携のためのNon-parabolic band structure 解析

パフォーマンスの改善

ATK-2015ではメモリ使用量の削減が実現されています。また一部の計算では並列計算時にメモリをすべての並列ノードでシェアする機能があります(ベンチマーク測定中)。また計算時間も高速になります。

  • 計算方法・並列化手法について
    • 新しい並列手法およびメモリ用Sparse LibrariesやDistributed Matrix Operationの導入(グリーン関数、自己エネルギー。対角化)
    • k点の数よりも多い数の パラレルが可能
    • 大きなセルを持つ構造で、Fermiよりも上のバンド数個のみを考慮して対角化を行うオプション(2倍程度の高速化)
    • Energy Density MatrixをCacheすることによる構造最適化の高速化
    • 軌道情報をグリッド上と基底関数上にCacheしパフォーマンスの向上を実現
      • 実空間積分が計算の大部分を占める小さな系ではメモリ使用量は律速になりませんが、大きな系ではなりえます。
      • Logファイルにメモリ使用量の情報が記載されます
    • DDOS,LDOSを計算する際のメモリ使用量の減少
    • Math Kernel Library をUpgradeしました(10.1から11.2)
    • 等高線積分におけるメモリ使用量の改善(大きなデバイス構造において顕著)
    • その他多数の改善がなされています
  • 計算方法・並列化手法について
    • 3Dレンダリングが向上し100万原子の画面上の取り扱いが可能。結合の表示もこれまでより高速化。

      図:120万原子の表示
    • 構造の読み込み時間の向上
    • バルク構造からデバイス構造への変換速度が向上
    • 水素添加ツールの高速化
    • 起動時間の高速化

Virtual NanoLabの改善点

  • Molecular Builderの導入
  • ランダムアロイの構築ツール
  • Builder上で原子の色、描画方法の変更が可能に
  • 画面上での原子の選択が容易に
  • 界面構造構築ツールの改善
  • Brillouin Zone Explorerの搭載
  • 2つのバンド図を比較するツールの搭載
  • その他多数の改善点があります

他の計算エンジンとの連携

  • LAMMPS/QuantumEspresso(tutorial)/VASP/GPAWのGUIとして使用可能です。
    構造のImport/Export、一部の物性解析が可能

FHI-aims

その他の新機能

  • Non-Collinear系のSCF収束性の構造
  • Grimme DFT-D3の導入
  • 2Dの透過係数計算の高速化(Adaptive k-space integration)。
  • 新規基底関数の導入

その他多数の新機能があります。
http://quantumwise.com/publications/quantumwise-news/item/908-vnl-atk-2015-released
こちらもご覧いただければ幸いです。

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