Atomistix ToolKit 2.0 (2)多数の原子で構成される周期系の計算時間

本テストは、多数の原子から構成される系(特に周期系)を計算する際に、どの程度の原子数であればAtomistix ToolKit 2.0で計算することができるのかを考察することを目的とします。

テスト環境

Hardware ビジュアルテクノロジー株式会社製 VT64-HPC Opteron WS
CPU AMD Opteron 252(2.6GHz)×2CPUs(注1)
Memory 16GB
OS SUSE Linux Professional 9.3 日本語版
Software Virtual NanoLab 1.2 beta2(注2)

注1)並列計算は行わず、1CPUのみ使用。
注2)計算エンジンのAtomistix ToolKit2.0を32bit版から64bit版に変更。

計算モデル

モデルはSiのダイヤモンド構造をベースとし、下図のようにA、B、C方向にユニットセルを大きくすることで、単位構造の原子数を変えています。基底関数のサイズはSZP、k点サンプリングは1点(Γ点)のみです。また、バンド構造はVirtual NanoLabのデフォルトであるΓ-X-W-L-Γ-K-W-U-Xに沿って計算しています。

モデル1ユニットセルの各辺の長さを3倍にしたSi結晶(54原子/ユニットセル)

モデル2ユニットセルの各辺の長さを4倍にしたSi結晶(128原子/ユニットセル)

モデル3ユニットセルの各辺の長さを5倍にしたSi結晶(250原子/ユニットセル)

モデル4ユニットセルの各辺の長さを6倍にしたSi結晶(432原子/ユニットセル)

モデル5ユニットセルの各辺の長さを7倍にしたSi結晶(686原子/ユニットセル)

参考ユニットセルの長さを変えていないダイヤモンド構造のSi結晶(2原子/ユニットセル)

計算時間比較

モデル 計算時間 最大メモリー使用量
モデル1(54原子) 17分39秒 約80MB
モデル2(128原子) 1時間39分14秒 約300MB
モデル3(250原子) 9時間31分23秒 約900MB
モデル4(432原子) 44時間21分19秒 約2.4GB
モデル5(686原子) 170時間36分13秒 約5.7GB

まとめ

Siの場合は、低精度であれば100〜200原子程度の計算は1晩で終わるという結果となりました。また、計算時間やメモリー容量を充分に取れば、500原子を超える系のバンド計算を行うことも可能です。参考までに、上記の計算時間をSCF計算とバンド構造の解析に分けて考えると、54原子の場合は前者が13分強、後者が4分程度でしたが、432原子の場合には前者が約8時間、後者が36時間程度、686原子の場合で前者が27時間弱、後者が約144時間となり、原子数が増えるに従って、SCF計算よりもバンド構造の解析に時間を要するようです。

計算対象やパラメータの取り方、計算環境など様々な要因で計算時間は変わりますので、以上の結果はあくまでも対象とする原子数を考慮する上での目安とお考え下さい。


お問い合わせ

Copyright © 2011 QuantumWise Japan KK All rights reserved.